探偵は気を抜けない
たとえ部員と言ってもまだ後輩。俺達にまかせられるのはしょせん雑用ばかり。今度の仕事はただの猫探し。まあ校長の猫だからしょうがねえか。学校も休めるし。
お!いたじゃねえか。こんなところに。じゃあこいつを連れて学校に戻るか。
ん?何か校長室が騒がしいぞ。行ってみるか。
「校長!!」
校長室に入ると、そこには苦しそうに倒れた校長がいた。
「先生!大丈夫ですか。だれか救急車を!」
しばらくして救急車が到着した。消防隊によると命の危険はないようだ。しかし、一体誰が?今日は先輩も別の事件でこねぇし、俺とマコでやるしかないか。
とりあえず現場を見るか。俺が見たところ校長は毒殺(死んでねぇがなw)。すると怪しいのは机の上の2つのコップだな。ん?1つはアイスコーヒーでもう一つはホットコーヒーか。一応コップの指紋を調べてみるか。
…指紋は両方のとってと片方のコップの飲み口。こっちはアイスコーヒーか。多分飲んだ後に指でふいたんだろうな。ではなぜホットの方はふいていないんだ?熱かったからなのか?
毒も調べてみるか。…!?毒がどちらも入っていない?なぜ…どうやって犯人は毒を…。
そのほかには怪しいところは見当たらないな。そろそろあいつが帰ってくるころだと思うが…。
「スズシ!先生たちのアリバイと証言を聞いてきたぞ!」
そう。俺はこいつをパシリとして使ったのだ。このまえの事件で何もしなかった罰だ。
「で?先生たちはなんと?」
「まずは第1発見者の森先生。校長室に用事があり、入ろうとしたところ返事がなかったため入室。すると倒れている校長を発見したということだ。
次にアイスコーヒーを入れた黒野先生。黒野先生はアイスコーヒーを入れる係をしていたようで、校長室にコーヒーを運んだそうだ。
最後にホットコーヒーを入れた山田先生。この先生もホットコーヒーを入れて黒野先生に渡したようだ。」
「なんでアイスとホットで入れる人が違うんだ?」
「校長に言われたらしいぜ。アイスとホットを一緒に飲むのが好きなんだそうだ。
次にアリバイだが、この3人以外の先生は全員授業をしていたそうだ。裏も取れてる。でも聞きこみの時に面白い情報を手に入れてなあ。
まず、校長はきれい好き。コーヒーを飲む時も気を使っていたらしい。」
「ああ。ふちのところだけふかれていたな。」
「次にここだけの話だが、校長はわがままで、先生たちは嫌っていたらしい。つまり、動機は誰にでもあるということだ。」
「で、校長はコーヒーを飲むときに何か特徴などはなかったのか?」
「それが、校長はコーヒーは、一人で閉じこもって飲んでいたらしい。」
「そうか…マコ、悪いしばらく1人にしてくれ。」
この事件で気になる点は2つ。1、アイスコーヒーだけふちをふいている。2、ほとんどの先生から嫌われている。
…大体はわかったが…決定的な証拠がない。あの3人の容疑者の先生は俺の指示により、みんな待合室にいた。ということは証拠はまだ犯人が持っている可能性が高い。さあなぞ解きの始まりだ。
「先生!犯人が分かりました!」
「何!?誰なんだ!」
「今犯人を言うのは簡単ですが、まずはトリックから説明いたしましょう。まず検死の結果、校長は毒物による殺人未遂。ならば最初に疑うのは机の上のコーヒー。しかし、両方とも毒は入っていなかった。」
「じゃあ…自分で飲んだのか?」
「いや…それはないでしょう。そんなことをするならコーヒーに入れるはずです。」
「じゃあ…どうやって?」
「大体わかっているんですが…証拠がありません。ですが、どこにあるかはわかっています。」
「それはどこなんだ!?」
「待合室です。」
俺の推理が正しければゴミ箱の中に…やはり間違っていなかったか。
「証拠はあったのか?」
「ありませんよ。」
「え?」
「つまり証拠は犯人が持っている可能性が高いということです。そうですよね。森先生。」
「!!冗談を…」
「先生。この人のポケットを調べてみてください。」
「わかった。…これはストロー?」
「そうです。犯人はストローの内部に毒を塗っていたんです。
多分校長はホットコーヒーだけストローで飲んだんでしょう。なぜかはわかりませんが、熱いからじゃないでしょうかね。だからホットコーヒーだけふちのところをふいていなかったんですよ。それを知っていた森先生はあらかじめストローに毒をぬっていた。というわけです。」
「じゃあなぜポケットからストローが見つかる前に森が犯人だと…。」
「簡単ですよ。ストローを回収するために犯人は第1発見者でないといけないということです。」
「スズシ。名推理じゃないか。」
「笹先!ずっと見てたんですか?」
「まあな。」
「じゃあ手伝ってくれればよかったのに…」
「そういうなって。ほんとは今校長のお見舞いに行ってきたとこなんだし。」
「なんだ。」
「それより、いい知らせがあるんだ。犯人を見つけてくれた探偵部に、大阪への航空券をあげようということだそうだ。友達も連れて行っていいと言っていた。」
「ほんとですか!?やった~。」
こうして俺たちは大阪に行くことになったんだ。解決したのは俺なのにな…。
PS、俺はそのあと猫探しをさせられた。すっかり忘れてたぜw